「QOL(Quality of Life)が急上昇」寺地高志さんのニセコ移住

名前:寺地 高志

生年月日:1989年2月生まれ

出身地:福島県

転入元:東京都

元の職業:災害支援、防災教育を行うNPO団体

移住年:2019年4月に夫婦でニセコ町に移住

インタビュアー:ニセコ町移住定住支援員 奥田啓太

2019年に東京から地域おこし協力隊として移住して来た寺地高志さん。これまで青年海外協力隊として海外生活を経験したほか、ピースボートのスタッフとして見聞を広めたりしてきたそう。国内においても災害支援活動などで全国を飛び回っていた寺地さんに、ニセコ町に移住したことについてインタビューしました。

移住して良かった

  • 環境に配慮したまちづくりをしている町の、一住民となれたこと

移住して困ったこと

  • 雪で滑って骨折したこと

移住して驚いたこと

  • 野菜が美味しい!飲食店も美味しい!

ニセコ町に移住したきっかけは何でしたか?

東京での生活に疲れて移住先を探していました。
パートナーと車で日本を周りながら移住先を探したこともあるんですが、なかなかここだ!という所には巡り会えずにいたころ、北海道胆振東部地震の支援で北海道に入りました。
活動するうちに雄大な自然をもつ北海道に魅力を感じはじめていたときに、たまたまニセコ町を知り、SDGs関連の地域おこし協力隊の募集を見て決めました。

車で日本を周って!?その時ニセコ町にも来たんですか?

ニセコ町には来てないです(笑)

え!?来てないんですか(笑)

予定より九州にいた時間が長くなってしまい北海道には足を踏み入れることができませんでした。
ただ、応募する前には一人で見に来て、その後パートナーと一緒にニセコ町役場に相談に伺いました。

そのときのニセコ町の印象はどうでした?

まず道中に、そしてビュープラザに着いて見た、羊蹄山に惚れました(笑)
自分たちの価値観に合い、こんなところに移住したい、と思っていた要素の多くがニセコ町にあるようにも感じました。また、行政と町民の距離が近いのも魅力だなと感じました。災害支援活動をしていると、行政と町民とで大きな隔たりを感じることも少なくなかったし、町民がまちづくりを自分ごとだと思ってないのでは、と感じることも多くありましたが、ニセコ町はまちづくりに住民が参加している感じがすごく好印象でした。当初、パートナーは地域おこし協力隊には正直あまり興味がなかったのですが、役場でお話を聞いて一転、二人で地域おこし協力隊に応募することになりました。

それで今はニセコ町地域おこし協力隊として活動されているのですね。

そうですね。

「地域おこし協力隊としてSDGsを推進」

地域おこし協力隊としてはどのようなことをされていますか?

役場の企画環境課という部署で、SDGs(持続可能な開発目標)の推進を行っており、普及促進の一環として広報に寄稿したり、小・中学生や高校生へ環境について考えてもらう授業をすることもあります。これから更に広げていきたいところです。

難しそうですね。具体的にはどういう内容なんですか?

たとえば子どもたち向けに、段ボールコンポストを作成するというワークショップをしました。
※コンポストとは、家庭からでた生ごみなどを、微生物や菌の力で分解発酵させることで処理し、同時に「堆肥(たいひ)」化するための容器のこと。

それなら身近に感じながら楽しくできそうですね。

他にも協力隊活動として、最近はこのコロナ禍の対策事業として「おうちでお店ごはん in Niseko」という企画で飲食店をSNSで紹介していたり、「協力隊の、○○やってみた」という企画でざっくばらんに町の魅力や役立つ情報などを発信する活動もしています。

寺地さんは現在地域おこし協力隊の隊長としても活躍されていますよね!

ニセコ高校の生徒にSDGsの基礎について授業を行う様子
地域おこし協力隊として町内イベントの手伝いも行っています

「移住への不安は地域に溶け込めるか」

移住してみてイメージどおりでしたか?

あまりイメージを持たずに来た、というのが正直なところです。でも、自然体で環境に配慮しながら生活している人が多いのでは、と感じました。

どういう部分でそう感じましたか?

例えばゴミの分別ですね。ニセコ町はゴミ分別の種類が多いですが、町民のみなさんがそれをしっかり守っている。色々な町を見てきましたが全然分別しないでゴミを出している人も多かったので感心しました。

なるほど。
たしかにゴミの分別はみなさんしっかりやられている気がします。

移住前からしっかりと情報収集していたという寺地さん

移住前に不安はありましたか?

これまでの生活で、地域によってはあまりよそ者に好意的でない所もあったので、地域に溶け込めるかというのが一番の不安でした。

実際に移住してみて溶け込めてますか?

周りの方々とはいい距離感で接することが出来ているのではと思います。周りの目が気になることもそんなにないです。

結構交流もありますか?

活動を通しての交流はたくさんあるんですが、プライベートではあまり交流できていないので、もう少し交流していきたいなと思っています。

移住して1年ちょっとなのでまだまだこれから交流の機会はたくさんあると思います。

「移住してQOL(Quality of Life)が急上昇」

移住してみて生活面で一番変わったことはなんですか?

移動が車中心になりました。東京にいた頃は1時間ほど掛けて電車で通勤していたので心にも体にも余裕が生まれました。その分CO2の排出量は多くなってしまっていますが…

通勤電車はつらいですよね…

移動だけじゃないですが今までは生活することでいっぱいいっぱいでした。余裕が生まれたことで日々湧き水を飲んだり、朝自分でコーヒーを淹れたり、鳥の声が日常にあったり、外を見れば羊蹄山やアンヌプリがそこにあったり、とQOL(Quality of Life)が急上昇です(笑)

どこでも鳥の声が聞こえるというのは確かに贅沢な環境かもしれません。

「雪かきは思ったほど大変ではなかった」

移住相談では必ずと言っていいほど聞かれますが、雪の生活に不安を感じている方が多くおります。
ニセコ町に住んでみて雪はどうですか?

元々出身は福島なので雪は降るのですが多くはなく、豪雪地帯は初めてだったので雪の知識や経験があまりありませんでした。雪道を歩く時の注意点、雪かきにどういう道具が必要なのかなど。

確かに道具もたくさん種類がありますしね。
実際雪かきは大変でしたか?

昨年は雪の量が少なかったこともあり、思ったより大変ではありませんでした。雪も軽いですし。

そうなんです。昨年はまれに見る雪の少ない年でした。

でも、そう思って油断して気が緩んだ頃に滑って転んで見事に仙骨を骨折しました(笑)道端で身体が宙に浮く経験は、久々でした。

骨折!?車の事故もそうですが慣れた頃が危ないっていいますもんね。

はい…。

「いろいろな泉質を選べるニセコの温泉」

ニセコ町でおすすめのスポットを教えてください。

温泉めぐりが好きなので数多くある温泉がおすすめですね。

ニセコは色々な泉質があることで有名です。得に好きな温泉とかありますか?

どこも素敵ですが、僕は「いこいの湯宿 いろは」が好きです。森の中にいる感じが他では中々味わえません。他には隣の蘭越町になってしまいますが紅葉音(アカハネ)も好きです。

「人生で今が一番安定しています(笑)」

最後の質問です。移住してよかったですか?

よかったです。正直生活面においても今が一番安定しています。(笑)

それは良かった!では今後もニセコに住みたいということですね?

はい。今は地域おこし協力隊を卒業したあともSDGsや環境に関わる何らかの仕事が出来ればと思っています。これまでは仕事に合わせて住む場所を決めてきましたが、今は住む場所を基準に仕事を模索しています。ニセコに来て以前にも増して、住む場所って生きていく上でとても大事なんだと思うようになりました。

ニセコ町に来て考え方が変わったんですね!素晴らしい!
是非叶えて欲しいです。

インタビューは以上です。
引き続き地域おこし協力隊として、そしてその後もSDGsや環境に関連したお仕事を見つけて順調に定住してもらえることを祈っています。
ありがとうございました。

ありがとうございました。